近年、世界各国で国民に備蓄を呼びかける動きが広がっている。
EUは2025年、国民が最低72時間、自力で生活できるよう備える方針を示した。イギリスも2026年10月、3日分の生活必需品を確保するよう改めて呼びかけている。
もちろん、家庭備蓄は新しい考え方ではない。日本でも以前から、自然災害に備えて最低3日分、できれば1週間分の備蓄が推奨されてきた。
それでも、今回の動きには少し気になる点がある。
変化する世界のリスク
ウクライナで続く戦争、台湾海峡の緊張、中国・ロシア・北朝鮮による軍事活動。さらに、サイバー攻撃や重要インフラへの破壊工作も、現実的な脅威となっている。
一方、自然界に目を向ければ、太陽活動の変動に伴う大規模な磁気嵐も懸念される。
原因は異なっても、私たちの生活に及ぼす影響には共通点がある。
電力、通信、金融決済、物流。普段は当たり前に使っている社会インフラが、一時的に機能しなくなる可能性だ。
政府は何かを知っているのか
各国の備蓄要請は、差し迫った危機を予見したものなのか。
現時点で、それを裏付ける確かな情報はない。実際、今回の要請には、以前から進められてきた防災・危機管理政策を強化する側面もある。
ただ、各国政府が従来以上に幅広い危機を想定し、社会全体の対応力を高めようとしていることは確かだろう。
恐れるのではなく、備える
未来を正確に予測することは難しい。だからこそ、特定の危機にとらわれず、さまざまな状況に対応できる備えが重要になる。
食料、水、医薬品、電源、通信手段。日常生活の延長で少しずつ備えを整え、必要に応じて見直していく。
過剰に恐れる必要はない。しかし、無関心でいる必要もない。
張りすぎず、緩めすぎず。何事にも適切な加減がある。それが私の考える「中庸」であり、防災にも通じる姿勢だと思う。
世界がどう変化しようと、日々の暮らしを大切にすること。そして、万が一への備えを忘れないこと。
備えよ、常に。
家庭で備えを見直すなら、まずは飲料水、保存食、常備薬、停電時の電源、家族との連絡手段から。必要な量は人数や生活環境によって異なるため、自治体や公的機関の案内を参考に、無理なく続けられる備蓄を考えたい。


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